なぜ家族葬が注目されているのか

なぜ家族葬が注目されているのか 一昔前のお葬式といえば、親族をはじめ近隣住民、友人に恩師に職場の面々など、故人に縁のある方にできるだけ声をかけて、少しでも多くの方に見送ってもらうことこそが故人への供養であるという風潮が見られました。そしてたくさんの方々に来ていただけるほど故人の生前の人徳を表し、どれだけ立派なお葬式をあげるかがその家の繁栄を示す傾向にありました。

そして時は流れ、現代ではお葬式への考え方が昔に比べて大きく変化しています。そもそも当時のお葬式は家制度に組み込まれており、家族が亡くなるときには家としての体面が非常に重視されてきました。戦後に入ってから民法の改正に伴い家制度は廃止され、高度経済成長と共に核家族化が進んでいくにつれ、お葬式の定義も少しずつ変化していきました。
お葬式はその家の世間体を保ったり財力を誇示したりという理由で行うのではなく、故人を心から偲び故人の納得する形で最期のお別れをするべきだと考える人が少しずつ増えてきたのです。また、残された家族にはお葬式に必要以上に費用をかけるよりもその後の生活のためにお金を使ってほしいと希望する方や、自分のこだわりをお葬式に取り入れてもらって自分らしさを出して旅立ちたいと願う方がだんだんと多くなってきました。

そのような流れを受けて、近年とりわけ支持されるようになってきたお葬式のスタイルが家族葬です。あまりなじみのない仕事絡みの関係者やほとんど交流のなかった遠い親戚に形だけ参列してもらうよりも、本当に気のおけない家族や親しい仲間と心のこもったお別れをする方が故人も遺族も幸せであるという考えが、長い年月をかけて少しずつ浸透してきた表れです。
さらに終活という言葉が世間に広まったことも手伝い、死を身近なものとして捉え人生の終焉をより自分らしく演出することによって生前お世話になった大切な方たちに感謝の気持ちをこめてお別れしたいと考え、自分のお葬式プランを自分で立ててから周囲に託す方も最近出はじめています。

残念ながら年配の方々の中には、家族葬はずいぶんこじんまりしていて故人への礼に欠けるとか世間体が悪いなどというマイナスのイメージを持っている人がいることも否定できません。しかし現代は、何よりもまず故人の遺志が最も尊重されるのが主流です。家族葬は今や時代が求めるお葬式のあり方の筆頭として、私たちにたくさんの選択肢を与えながら、これから受け入れられていくことでしょう。

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